118号
2007年8月31日
編集:橋本 恭子
アンサンブル“Tutti”7th定演特集

暦の上では立秋・・・とはいえ厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて今回は、去る7月8日、イシハラホールにて開催されましたフルートアンサンブル“Tutti”第7回定期演奏会の特集です。
練習に練習を重ね・・・合宿や合同練習での特訓を乗り越え・・・この日の為にがんばってきた一年間!
この一大イベントを終え、団員の皆様はどんな心境なのか、原稿に綴っていただきました!


思い出そう、奏でる喜びを、そして感動を

Tutti川西練習場 成田 日出男

2007年7月8日(日)イシハラホール。午後2時開演。

音響のいいホールで、思う存分にフルートの醍醐味を味わい尽くした1日。

ホールいっぱいに響いたその音色から、実に多くのものを学び取ることが出来た。皆さんそれぞれが大きな成果を得たのは間違いない。音楽は気持ち。気持ちを奏でる。聞いてくれている人に一生懸命伝えようとする気持ちが大切。吹いていると、みんないい顔になってくる。

長いようで短かったこの1年。ずいぶんしごかれた。アンサンブルにダブりや漏れがないか、テンポはずれていないか、リズムは正確か…少しでもおかしいとなれば、即、特別室(別名「しごき部屋」)で特訓・特訓・また特訓…。理屈や先入観は抜きにして、真摯な気持ちで楽器や音楽と向き合うことの大切さを教えられた日々。

よいサウンドを求めて曲想の変化、緩急、メリハリなど、しっかり表現するための練習をさせられ、パート練習や特訓(しごき)を行い、ひとつひとつクリアしていった。ソロからアンサンブルへ、アンサンブルからソロへとフレーズの引き継ぎ、受け渡し、曲想に合わせたメリハリ、ハモる楽しみ。

おかげさまで当日は精神的にも落ち着いて演奏に集中できた。ひとりひとりのコンサートに賭けるひたむきさ、楽屋でも袖口でも「やるんだ」という前向きの緊張感が満ちていた。

指揮者の気合い入れまくりのハイテンション。ホールの響きを十分に感じ取れる温かな落ち着きのあるたっぷりとしたサウンドで、各パートが心地よい緊張感を持ち、しっかり表現していた。エンディングに至るまで緊張感が緩まず、音楽を持って行く集中力があった。アンサンブルはもちろん各ソロの皆さんのすばらしさが質の高い演奏を導き出した。今までとは違う「音の質感」についてじっくりと考えるとこが出来たことは、とても勉強になった。演奏していく内に、幸せ気分になり、充実した時間を持つことが出来た。演奏後の拍手が忘れられない。

対馬先生を始め、指導して下さる先生方は「今、出来ること」にレベルを合わせると前に進まない、ある程度難しい課題を与え、そこまで引き上げることが大切という基本姿勢で、粘り強く、熱意を持って指導を続け、みんなの「思い」と「表現」の二つがしっかり噛み合うように、いろいろな面で貴重な指導を続けて下さいました。

これからは、楽譜の読み込みをじっくりしていきたい。演奏技術は表現するためにあるし、基本をしっかり身につければ、いつか自由に表現できるようになる。音楽は心で聴き、体を使って表現し、頭で考えるという3つのバランスが大切。夢を決してあきらめない。「今できなくても、いつかきっと出来るようになる」という希望を忘れない。意欲と情熱を持ち、いつかきっと叶えられることを信じて練習すれば、マイ・フルートもきっとそれに応えてくれる。フルート好きな仲間と出会い、共に学び、共に奏でる喜び。憧れの舞台で拍手喝采を浴びる。そんな笛の会の未来がみえる。


自分もステージに上ろう!

Tutti神戸練習場 岸田 智子

昨年の定期演奏会を座席から観ていて、来年は自分もステージに上がろう!と意気込んではや一年。本当にその日を迎える事ができ、大変嬉しく思っています。

この一年、課題を克服していくのに精一杯で、感情を込めて吹けるようになるまでの道のりはとても険しかったように思います。その分出来た時の喜びも大きいものでした。演奏会当日は程よい緊張感の中、比較的落ち着いて吹くことが出来ました。中でも「れんと」として小アンサンブルに出演した事で、大勢の前で吹く度胸が少しついたような気がします。

いつも練習の度にいろいろな方からアドバイスを頂けて感謝しています。経験を積んだ先輩方からの言葉には重みがあり、フルートを吹く上でも人生を歩んで行く上でも大切と思える名言がこれまでにもいくつかありました。

これからもTuttiの一員として、いろんなイベントに参加しながら努力を積み重ねていきたいと思っていますので、みなさんどうぞよろしくお願いします。

客席からの応援でパワーをもらいました!

Tutti茨木練習場 小林 良子

第7回定期演奏会も成功のうちに終わりました。客席のお客様が感動のまなざしで応援してくださる様子がステージに立つ私たちにも伝わってきたように思います。

私も家族や友人達が会場に来てくれました。そのうちで二人の友達の言葉が今でも心に残っています。ひとりはご主人の赴任先、ヒューストンからわざわざ駆けつけてくれました。彼女は言葉や習慣の違いがあるなかでフルートを続けています。演奏会の後で会った時「感激しました。パワーをもらいました。又頑張れるわ。」という言葉を残して笑顔で帰って行きました。
もうひとりの若い友人は、「今は仕事で精一杯だけど、人生で輝けるチャンスは何度でもあることがわかった、ありがとう。」といってくれました。

私たちの演奏会がこの二人だけではなく、会場のお客様の心にも応援メッセージとして届いていたのなら本当に素晴ら しいことではないでしょうか。
私にとっては先生方のご指導、仲間や家族や友人たちの応援に支えられてたどり着いた、充実した定期演奏会でした。


☆私の練習方法☆

「何かと多忙で練習時間がとれない!」
「どんな練習をしたらいいかわからない!」
「家で練習すると家族からクレームがきます・・・」
などなど、フルートの練習に関する悩みは様々で、フルートに対する取り組み方も十人十色。それだけに、他の人が一体どのような練習をしているのか興味があるという方が多いのではないでしょうか?
そこで『風の音』では、会員の方に「私の練習方法」を紹介していただくコーナーを設けることにしました!記念すべき第一回目は、枚方教室の奥田由美子さんに紹介していただきます。

きれいな音色を出すのに苦労しています
枚方教室 奥田 由美子

テュッティー会員募集を見て、とりあえず見学だけと軽い気持ちで行った帰りに入会し、その場でフルートまで注文してしまい、今更やめられないと始めて今で二年半になります。

私の練習方法ということですが、特にありません。時間のある時に吹く、それも夕食の支度をしながらで疲れたら休憩し、すぐ疲れてお茶をしていますが、あまり参考になる練習方法ではないです。

時間が出来たから練習しよう、なんて思っていたらなかなか出来ません。時間はある程度作るものと思っています。
私の継続の秘訣は自分の出来る範囲で、いわゆるマイペースで無理をしない事かな、と思います。

フルートは吹き方で音色が変わるやっかいな楽器で、きれいな音を出すのに苦労していますが、先生と合奏出来た時はとても満足感があります。

私はまだ初級で、楽譜通り吹く事で精一杯ですが、フルートのきれいな音を楽しめるよう練習していきたいです。
そして上達したら、色々な楽器と合奏して、音楽を楽しみたいと思います。

対馬潤のお薦めCDコーナー

今回から始まったこの企画!これから関西笛の会の皆さんに、私が心からお薦めするCDをフルートであるなしにかかわらずこのコーナーでお伝えしていきたいと思います。
その記念すべき第 1 弾はもちろんこれです。

関西笛の会フルート指導曲集Vol.1〜3

この3枚のCDはフルートを学ぶ実践的な意味で超オススメです。

皆さんは英語を学ぶアプローチに二通りのやり方があるのをご存知ですよね?つまり、それは文法と会話です。

フルートを学ぶこともそれと同じで、楽譜から入る方法と、音楽そのものから入ってしまう方法とがあります。
ところが多くの皆さんは、 “音楽の始まりはドレミから”と考えている人がほとんどで、これは、知らず知らずのうちに楽譜から音楽を理解しようとしてしまっていることの表れです。

この指導曲集CDを聴いて大いにフルートの音楽の美しさに親しみましょう。そして、毎日の練習の中で、その美しさを自分で、自分のフルートで部屋いっぱいに広げていきましょう。

貴方はもう一流の音楽家です。練習部屋はそのまま憧れのカーネギーホールの舞台です。
美しい音楽の世界に思い切り浸りきって下さい。
楽譜の問題は後からでいいです。
まずはじめに音楽ありです。

関西笛の会代表 : 対馬 潤

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